競売物件

安く住宅を手に入れる手段として、裁判所の競売があらゆるメディアで取り上げられている今日この頃。競売を物件の仕入れの主たる手段として利用した群馬県の「株式会社やすらぎ」は名古屋証券取引所2部に上場していますし、千葉県でも多くの業者が競売で物件を仕入れ、販売しています。当然のことですが、販売価格には業者の利益が上乗せされています。だったら、最終的に住宅を利用するエンドユーザーが落札できたなら、安く住宅を手に入れられる・・・はずです。
でも、私は個人の方が競売に参加することはお勧めしません。基本的に競売になるというのは、借り入れがあって、返済ができなくなって、競売にかけられているわけですが、多くは自主的にだったり、説得されてであったりして、競売以前に売却して債務の圧縮を計っています(いわゆる任意売却)。でも、競売に付されるというのは、その所有者に何らかのトラブル(多重債務だったり、他人の保証債務で納得がいかなかったり、さらには行方不明だったり・・・)があったわけです。
それを個人の方が、手に入れて処理をする。今は、法制も変わったので、立ち退きの強制執行など法的手続きは簡単に行え、不法占有とかのトラブルは少ないでしょう。「追い出した」という心理的な気まずさであったり、万が一の立ち退き等でのトラブルや隠れたる瑕疵があった場合、収益事業として行っていない個人は、その損失等を回復する手段がないのです。
ある面、業者のやっている競売による利益は、さまざまなリスクを回避するための保険だと考えたほうがいいでしょう。多少高くても、物件が市場に出てくるまでの経緯は一切タッチせずにいられますし、近隣の方から後ろ指をさされることもありません(特に田舎の場合、近所同士の付き合いは深いので、直接立ち退うのは賢明ではないのではないでしょうか)。どんなことがあっても、「私は知らないで買いました」ですむのですから。
あ、それに最近は、競売に参加する業者の数も多く、競争が激しく、売れ筋物件は、落札価格が高騰する傾向にあります。さほど安いわけではないのに、不確定な要素が多い競売は、個人の場合特に避けるべきだと私は考えています。

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このページは、エートスが2005年4月30日 08:19に書いたブログ記事です。

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