2005年11月アーカイブ

千葉市で田舎暮らし向きの新築計画を進めています。設計は、施主の旧知の東京青山の設計事務所です。その事務所の培ってきた個人住宅の設計ノウハウと千葉における「田舎暮らし」のノウハウを掛け合わせて、結構いい物が出来そうです。まずは千葉市を皮切りに、北総、外房エリアで建て売りを積極的に展開していけたらと思います。物件を見る目には自身があるので、問題は資金力。自社での建て売りではなく、コーディネートと販売をやっていくことになりそうです。
今年は会社を辞めて、自分で会社を立ち上げて、慣れない生活であっという間に時間が過ぎてしまいました。明日からはもう師走・・・。この一年で一体何をやってきたのかと考えると来年が怖いです。ともかく、来月には来年に続く仕掛けを作っておかなくてはいけないと思います。さてがんばりましょ~。
構造設計事務所の偽造により建築基準法の耐震基準に満たない建物が建てられたというとんでもない話が先週発覚し、世間を騒がせています。施主、発注主が強制したとか、共謀したとかいろいろ言われていますが、私の感想というか意見です。
根本として、「住」に関わる仕事は、聖職だと思うのです。「住」はそこで暮らす人たちの生と死、幸不幸に直結します。私が師と仰ぐ早川和男先生は、「安心して暮らせる住まいは誰にも平等に保証されるべき基本的人権」であると説きます。聖職というと宗教者、医者、教職等がすぐに思い浮かぶのですが、「住」に関わる仕事も間違いなく聖職です(もちろんそれ以外の仕事でも、軽んじていい仕事はほとんどないと思いますが)。ですから、お客さんに多大な迷惑をかけるような今回の事件は信じられない行為ですし、許せないことです。決してあってはならない。しかし、全般として「住」に関わる仕事をしている人は、意外にモラルが低い場合が多い。
今回の事件は、設計はもちろん、施工、発注者、監督者(建築確認)など、複数の職域、職種が関わっています。どこかが、正常に機能していれば、防げた事態だと思います。いかに構造設計を変えても、工法が変わらない限り、構造躯体が大きく変わる事はないわけです。それは、設計が専門でなくとも、発注者、受注者としてのコストから見た目、施工者として現場の目で経験上すぐにわかる範囲だったと思います。一連の工事に関わった人たちで、実際に疑念を抱いた人も多くいたはずです。
この問題はたまたま露見しただけで、氷山の一角だという見方もあります。今回の問題を含め過去の問題は何らかの方法で解決していくにせよ、少なくともこれからは、よりいっそう気を引き締めて「住」という仕事に取り組んで行かなくてはならないと思います。
私の意見として「ビフォーアフター」について書いたのですが、それよりももっと的確に説明した内容が「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)」に記載がありました。私のつたない文章より極めて的確です・・・。こちら
テレビで「改造!!劇的ビフォーアフター」という番組が放映されています。結構人気の番組のようですが、私はこの番組を見るたびに、がっかりします(9割方)。がっかりするくらいならば、見なければいいのですが、たまたまテレビをつけた時に目に入ってしまうと、職業柄見ないわけにはいきません。というか、一応は都度つど期待して見てはいるのです。でも総体としていい改修だったなと思うことは一度あったかなかったかです。改修の仕方の部分部分では、いいなと思うことはありますが・・・。
一番思うことは、改修すべきか否かという判断が間違っているということです。それとともにあの改修費で収まるのかという部分に関する疑問もあります。さらに設計費用は別ですから、設計費用等を入れた場合は、改修という選択枝はまず取ることはないだろうと思います。それをアドバイスするのが、住宅にかかわるプロの努めだと、私は思うのです。まあ、それが法規的な問題で建替えが出来ないのならまだしも。
そして、もうひとつ施主に媚びる設計が為されていることです。施主に由来する小さな理由を拡大解釈して見せて、そこをピックアップした設計を行う。また、それが小手先の工夫だったりするので、私は唖然とします。多分あの家たちは、完成したときの高揚感が消えるにしたがって、「こんな家に誰がした」と感じていくと思います。
もちろん、私の見てるのはテレビに映し出される場面場面だけですから、総合的な判断をしているわけでもないですし、そもそもこれは私の主観です。でもきっとそうだろうと思うのです。住まいは長く住むものです。300万円程度の予算で改修するのならいざ知らず、500万円以上の予算をかけるなら、10年20年、それ以上のスパンで考えて改修すべきだと思っています。
今、先日お伝えした「九十九里町1280万円の倉庫付き土地」のプランニングをやっています。実際の設計は、青山の設計事務所に依頼しているのですが、全体のコーディネートをさせてもらっています。この場所は都市計画区域内なので、倉庫居宅に改装するには新たに建築確認が必要となります。今はやりの「コンバージョン」???なわけです。新築のプランニングももちろん楽しい作業ですが、現在ある建物を改修する構想を考えるのもとても楽しい作業です。多分、本当に建築的な才能がある人ならば、白いキャンパスに一から作っていくほうが楽しいのかもしれませんが、私の場合ある与条件があったほうが、「問題なところ、悪いところをよくしていく」という方が、私には向いている気がします。
さて、九十九里の物件ですが、基本のプラン(というか平面図)は私が出して、その問題点を施主や設計事務所の方と詰めていっています。設計が決定したら、施工者を決めて、見積もりをお願いします。見積もりの作業の中で、施工者からの提案を受けながら、仕様等を含めた計画を最終決定し、改装に取り掛かります。完成は来年4月前でしょうか。この作業の進捗状況をこれから数度お伝えしていきたいと思います。

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