田舎暮らしを希望されているお客様が、中古住宅を購入しました。ほとんどの場合、改修をすることになると思います。仲介業者の物件資料や説明の中で、「手入れ不要で入居可能」と書いてあってもです。これは、あくまで「可能」ということで、「満足」とは決して違います。極端に言えば「出来なくはない」と捉えた方がいいかもしれません。せっかく手に入れた田舎暮らしのための“自分のお城”です。そのままでも十分生活できるにせよ、「やっぱり壁紙と畳は張り替えたい」気持ちは理解できます。売主が業者で改修後の販売の場合や別荘とかほとんど利用していない等のレアなケース以外は50万円くらいは予算を見ておいた方がいいと思います。
ただ、それが「せっかくだからフローリングや外壁の塗装も」と追加していくのは行くのは序の口。いろんなことを気にしだして、ついには「どうせやるなら水回りも」と来てしまったら、あっという間にたいそうな金額(というかとんでもない金額)になってしまいます。この傾向、ご主人が希望していて、奥さんは説得されて「なんとか田舎暮らし」の場合に多い気がします。
もちろん、それだけの予算を見込んでいればいいのですが、多くは想定外のはずです。私のお薦めは、とにかく「住んでから考える」「もしくは徹底してやる」です。中途半端は一番後悔することになると思います。
住み始めてみると、入居前に気になった壁紙も、荷物が入って徐々に目が慣れてくれば、さほど気にならなくなるかもしれません。水回りだって、十分使えます。どこか一カ所を新しくすると、それとの比較で、いろんなものが古く、みすぼらしく見えてしまうものです。使っては見たけれど、「どうしてもキッチンを新しくしたい!」というようなこともあるでしょう。その際は、遠慮せず手を入れる。こうすることで無駄な出費を抑えられます。
さて、「徹底してやる」これも選択肢。入居後の改修はやっぱりエネルギーがいります。入居前に気になるところをすべて直してしまえば、住んでから気が楽なのは確かです。でも予算には限りがあります。出来るだけ安くあげたいのは、誰もが考えることです。そのときのポイントをいくつか。
(1)2番目とも関連しますが、工事を安く、そしてよくするには、いいリフォーム業者を見つけるのが、一番大事。物件の購入を仲介した業者に相談してみましょう。おつきあいのある業者さんを紹介してくれるはずです。ん、これには、信頼出来る仲介業者を見つけないといけないですね。いい仲介業者の周りには、いいリフォーム業者がいますし、いわゆるWIN-WINの輪にはいれれば間違いない。
(2)設備にお金をかけない。いざ改修というと、夢が広がります。世の中には多くのリフォーム雑誌が出版されていて、オシャレなキッチン、こだわりの浴室などが掲載されています。リフォーム欲(?)をかき立てられます。でも、待ってください。本当にそんなに立派なキッチンが必要ですか?本当に料理しますか(失礼・・・)?「弘法筆を選ばず」です。今のキッチンは安いものでも、十分その機能を果たしていますし、クオリティーも満足できるものばかりです(安かろう悪かろうというのは過去の話です)。リフォーム業者の勧めてくれる、一番安く調達できるもの(特にキッチン、浴室は)を選択しましょう。事前に雑誌で調べて思い描いたイメージと違い、打ち合わせでカタログを見ていると、「もう少しいいもの」をなんて思っても、工事が終わってみると、もう十分満足出来ると思います。
(3)それともう一つ。改修の際は、奇をてらったことはやらないこと。TVのリフォーム番組に出てくるような改修だけは、絶対に止めましょう(私の意見です)。完成したときだけ、びっくりして、いいものと錯覚させられても、家は使い続けていくものです。そのときだけではなく、長い目で使いやすいことが第一です。それに無駄な「思い出」も捨てましょう。過去より未来の方が大切ですから。
余計なことを少し書きましたが、建物という器(形)には余計なお金をかけないで、暮らし(中身)を充実させることにエネルギーもお金も使いたいですね。
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