訳あり物件2

さっそく“訳あり物件”の第2弾を書きます。不動産というと範囲が広いので、中古住宅(マンション等も含む)の売買にかかる“訳あり物件”にスポットを当てていきます。
そもそも、中古住宅は法人が商売として売るのでなければ、売るときには“個人的な何らかの理由”があるわけです。それは「ステップアップして、次に大きな家を購入する」であったり、「何軒も家を持っていて、一部換金する」という比較的明るい理由で売却することもあるでしょう。でも、バブル期以前ならいざ知らず、最近は個人住宅を売却して利益が出ることは、極々一部です。ステップアップすると入っても、売却損が出るケースが多いでしょう。そうです。不動産を売却する側には全体の傾向として、あまり“幸せな理由で売却する人はいない”ということです。
対して、住宅を購入する側はほとんどの場合、人生の一大イベント。夢にまで見た“一国一城の主”の実現です。いわば“幸せ幸せの人生上り坂”だからこそ、住宅を買おうとしているわけです。不動私が不動産業をやってきて、一番のギャップを感じていたのは、この点です。でもこれは表裏なのです。売る側には売る理由があるわけで、買う側にも当然理由がある。需要と供給の関係ですから、これが合致してるからこそ、売買が成立するわけです。どんな理由であれ、売る側は買ってもらいたい。買ってもらわなくてはいけないのです(価格はともあれ・・・)。ですから売りに出した理由を気にするのならば、業者が売りに出している新築物件を買うしかないわけです。
では買った方はどうすればいいのでしょう。私は“買った家を大切にする”これしかないと思います。以前お住まいだった方たちのいろんな想いや歴史が積もった家です。そのことに敬意を払いながら、住宅を大切にしていく。それが一番だと思うのです。
このことは、一般的に“訳あり物件”と言われる自殺物件、破産物件、換金のための売り急ぎ、などにしても同じです。いいこともあれば悪いことも必ずあります。悪い部分にだけ目を向けず、いい部分を見ましょう。“人生山あり谷あり、人生塞翁が馬”です。捉え方次第です。
以前も書きましたが、そういった理由で、私はほとんど“訳”は気になりません。家は、生きている木を使い、建てた人(工事をした人)の心、労力などいろんなものがあって初めて作られます、そこにも感謝と敬意を払いたいです。

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このページは、エートスが2005年7月30日 09:15に書いたブログ記事です。

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