不動産業のイメージ

「不動産屋」「不動産業」「宅地建物取引業(宅建業)」「仲介業者」「デベロッパー」いろんな表現の仕方があります。おそらく一般の方で一番メジャーなのは「不動産屋」なのではないでしょうか。同業者間では、単純に「業者」(これはどの業界でも同じですか?何となくいい表現ではない気もするのですが・・・)。いわゆる宅地建物取引業法で規定されている「業として行うには免許が必要」という免許は、「宅地建物取引業免許」なので(法律名からそうです)、正式には「宅地建物取引業」というのが正しいのでしょう。このブログでは、何となくその前後の文脈で、私的(わたしてき)に一番しっくりとくる言葉を微妙にこだわって使っています。
「不動産業」という業界全体としては、あんまり良いイメージはないのではないでしょうか。バブルの時期のいわゆる「地上げ」であったり、それ以前の「原野商法」であったり、押し売りまがいのマンション営業などなど、あげだしたらきりがありません。でも、最近は宅建業法も厳しく適用されますし、消費者契約法も出来ましたので、そうそういい加減なことをする業者はごく少数だと思います(私は具体的に思い浮かびません)。
そして、もう一つ「えらく(悪どく)儲けている」ということからくる悪いイメージもあるかと思います。これもほとんどないですね。正直言って、仲介も大きい物件(数億円とか)は、入札であったり、銀行がらみの情報であったりして、情報が公開されているので、仲介で大儲けなんてことはありません。そして売買ですが、不動産が右肩上がりで値上がりしない時代です。銀座や青山など一部の都市部では著しい地価上昇していて、バブルの様相をなしているともいわれますが、それは本当にごくごく少数。それに大きな資金が必要なので、中小がおいそれと手を出せる状況にはありません。住宅の売買でも安く買い取って売ると言っても、リフォームも結構な資金がかかりますし、参入障壁も少なく、特別の特許や生産技術のない世界です。競合も激しいので、すぐにキャッチアップされてしまうので、なかなか儲かりません。
何を言いたいかと言えば、イメージほど悪くない業界ですよということです。そういった誤った悪いイメージをのぞくと、本当にいい仕事です。人の生活基盤となるスペース。それも単なる箱ではなくて、幸せを育む空間のコーディネートをする仕事です。売買契約という行為は最終的に結実したある成果であって、それまでに家族関係、家計のこと将来のことを考えて実現していく。その手伝いをしていく。夢のある業界なのですホント!
私は建物自体も好きなので、いろんな物件を見ることが出来ることだけでも、かなり楽しんでいます。さらに言えば、自然や緑というものも好き。田舎暮らしの仕事も本当に楽しいですね。
あ、また同じことを言いますが、それでも私は東京に住んでいます。今なんか「中野サンプラザ」などといういいビルにオフィスを構えて(小さいSOHO用のスペースです)、喜んでます。矛盾してるようですが、私の中では、矛盾しません。都会と田舎の違った立場で、田舎の業者さんと組みながら、足りない部分を補い合いながら仕事をしたいと思っています。
最後に、アメリカでは「人生には3人のパートナー(職種)が必要である。1人目が“The lawyer(弁護士)”、2人目が“The doctor(医者)”、3人目が“realtor(不動産業者)”」と言われるほど、社会的にも高い評価を得ている仕事だそうです(伝聞です)。好きな仕事ですので、社会的にもいいイメージになるよう努力していきたいと思います。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.inakagurashi.info/post/mt-tb.cgi/309

コメントする

このブログ記事について

このページは、エートスが2005年5月20日 15:42に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「買いの専任媒介契約!?」です。

次のブログ記事は「ブログの効用」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。