古民家について-その2

田舎暮らしをお考えの方で、古民家物件をお探しの方も多いかと思いますが、実際のところ、「古民家で田舎暮らし」は結構ハードルが高いです。理由はいくつかありますが、まず1.物件数が少ない、2.想像以上に改修費用がかかる、3.古民家の間取りは今の生活にマッチしていない等々・・・。
物件もあるところにはあったりするのですが(東北や長野の豪雪地帯など)、絶対数は少ないですし、古民家は当たり前ですが古い家ですから、多くの親戚がいます。そうすると例え人が住んでいなくても、お盆、正月には利用するとか、お墓があるという理由だったり、また、農村という比較的地縁血縁が強い共同体の中での体裁もあって、売りに出すことは希です。
古民家を買う方に限らないかもしれませんが、自分で家を建てたり、直したりすると、つい必要以上にこだわってしまうものです。「あれもしたいこれもしたい」「これぐらいの差額ならいいものを」「一生に一度(最後の)の大仕事だから」、気がついたら予算の2倍なんてことは多々あります。基本的に古民家の場合、手を入れだしたら、きりがないんですね。最低限の改修と思っていても、「やらなくてはいけないこと」「やりたいこと」はたくさん出てきてしまいます。そもそも“わざわざ”古民家に住もうというこだわりの方なのですから・・・。
そして、予算にあったいい物件があっても、今までと同じ考え方では古民家に住めません。間取りが今の家とは根本からして違うのです。基本的には田の字型の間取り。障子、襖によって仕切られただけの部屋には、プライバシーはあってないようなもの。いろんな意味で発想を転換する必要があります。
そうです!古民家は限られた“古民家人”のためのものなのです。私個人としては、前回書いたように古民家は大好きです。もちろん守っていきたいし、日本の大切な文化として守って行かなくてはならない。でも、多くの人には、今の暮らしにあった新民家を作って行くのもいいと考えています。今はまだ“新”民家でも、100年後には間違いなく古民家になっています。そのときに通用する材料、構法、間取りを考えて家を建てていきたい。今ある古民家も含めて、後世に伝えていける住まい。それは私の理想です。
ん、これは「古民家のススメ!」でもあり「新民家のススメ!」でもあります。

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このページは、エートスが2005年5月24日 19:33に書いたブログ記事です。

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