かなり有名な本なのでご存知の方も多いかと思いますが、クレイトン・クリステンセン (著)『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社刊という本があって、とても興味深く読ませていただきました。私のいる不動産業界というのは、技術革新で大企業が滅ぶというようなことはない業界です。なんと言っても、歴史に裏打ちされた資産とそこから生まれる資本力、さらに人的な資産というものもあるわけで、それをいまさら技術革新キャッチアップする事は不可能といっていいでしょう。三菱地所、三井不動産、住友不動産、東急不動産などごく一部の総合不動産会社の前には、しょせん新興デベロッパーは相手ではないわけです。それは大京や藤和不動産など多くの企業が証明してきました。
ですが、それは大企業の話。ここに書かれた事は、小さな企業においてはより鮮明であると思います。小さいが故に、ひとつの技術革新を捉えることが出来るかで、簡単に企業の浮沈が決まってしまう。ひとつの成功モデルが長く続かず、絶えずビジネスモデルを見出していかねばならない。そのことを切に感じました。
不動産業界でも近年の一番大きな変化は、インターネットの急速な普及でしょう。誰でも不特定多数の顧客に対して情報発信が出来るようになったことは、革命的でもあります。千葉県では田舎暮らし不動産サイトが、他のエリアと比較して尋常ではないくらい数多くあります。これはあるひとつのサイトの成功がきっかけだと私は思っています。一時期独占に近い状態で情報発信をして、仲介件数を積み上げたのです。その後それを見習って他社も追従したわけです。以前は、『田舎暮らしの本』宝島社刊か新聞に広告を出すかしかなかった情報発信の手段が、インターネットによって低コストで、即時性をもって発信できるようになったわけです。しかも紙媒体とは比べようもないくらい大きくの情報を発信出来ます(コストをかければ紙媒体でも可能ですが)。今ではカラー写真は当たり前、動画さえ載せてあるところもあります。
私は独立するに当たって、いろんなこと、仕掛けを考えています。常に新しいことに取り組んでいくことは、とても大変な作業ですが、大きな楽しみでもあります。たとえ一定の成功を得られたとしても、「初心忘れざるべからず」努力していきたいと思います。
イノベーションのジレンマ
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