覆水盆に返らず

ここ10年ほどで情報技術が進んで、それこそ携帯電話であったり、インターネットであったり、思いついたら即日即時、相手に意思を伝えることが出来ます。これは、不動産業においてもそうですが、様々な分野でサプライヤーおよびユーザーに大きなメリットをもたらしてきたと思います。今ビジネスの世界で携帯電話やインターネットといったツールは欠かせません。我々の世代でもそうですから、もっと若い世代はよりそうなのだろうと思います。
私の上の世代でも、最近はほとんどの方が携帯電話やネットを利用していると思います。私たちのすぐ上の世代は、楽天の三木谷社長やインデックスの落合会長をはじめ多くのITで成功した経営者がいます。私たちの世代でもライブドアの堀江社長などがいますが、私の考えるところ上の世代の強さは、携帯やネットがなかったビジネスの世界を身をもって知っていることではないでしょうか。個人的なことは全く存じ上げないので、私の推測の域を出ないのですが、従前のやりかたで仕事をしていたところに、情報化の波が押し寄せたわけです。これは革命的な出来事だったと思います。そして、それを実業に生かす術を知っていた。それが今の成功に繋がったポイントではないかと。私はこの会社で、私なりの不動産業におけるネットとリアルの融合の形態を作っていきたいと考えています。
さて、話が逸れました。「覆水便に返らず」です。インターネットで通信販売を行っていた「ベスト電器」が液晶テレビの販売価格15万円を一桁少なく、1万5000円と表示してしまい約6400人が注文、誤表示のお詫びとして、注文者に一人100円の郵便為替を送ることにしたというニュースがありました。インターネットで即伝達、即注文が出来るシステムが組まれていたために問題が大きくなったわけです。以前ならば、通販でも印刷して配達や郵送して、受注は電話やFAXだったので、何段階かチェックや予防策を立てる事が出来たので、ここまでの事態に陥ることはなかったと思うのです。
これは企業のビジネスの話に限ったことではありません。個人間でこんなミステイクを犯してしまうと大変なことになります。たとえばメール、以前は夜中に勢いついて手紙を書いたものの、翌朝冷静になって考え直し手紙を出さないことが出来ました。メールはその時の勢いだけで、クリックひとつで相手にその意思が伝わってしまいます。それも相対ではないから当然表情や声色など、言葉以外の情報がありませんから、文字、言葉だけで判断することになります。特に非難や批判の内容の場合、余計に誤解というか、真意は別にあったとしても悪意だけが一方的に伝わってしまいます。関係としては最悪です。
ですので、私はお客さんと重要な話はメールで行うことはありません。基本的にはお会いする、もし都合が合わない場合は電話で、それでもだめならFAXや手紙にします。時間と手間がかかってしまいますが、便利になったからこそファイス・トゥー・フェイス、顔をつき合わせて意思を伝え合うことが大切だと考えています。
一度壊れた信頼は、「覆水盆に返らず」とまでは言いませんが、回復するのには多大な労力を費やすことになってします。私もサラリーマンではなく一応社長というた立場ですので、私のミステイクは個人のみならず会社にとっても命取りになりかねません。メールに限らず、これからも気を付けて行きたいものです。あ、でも恋愛など好意を伝える場合、勢いがついて送ってしまたら、事態急転、いい方向に転がっていくって事もあるかもしれませんね。

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このページは、エートスが2005年7月10日 23:07に書いたブログ記事です。

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