先日、とある古民家の修理現場に行った時に、建具職人の方とお話しする機会がありました。びっくりしたのですが、住宅の中で一番高価な材木は、建具に使う材だそうです。言われてみれば当然で、わずかな狂いでも立て付けが悪くなるでしょうし、装飾性の高いものならなおさらです。木目、年輪などを厳選して使わないと良い物は出来ません。古民家の話をするときに「今では作れない」と言う類の言葉が良く出ますが、実際のところ「作れない」ではなく「作らない」と言う方が正しいと思います(もちろん、時を経た独特の雰囲気は「作れない」のですが・・・)。作らない理由は、結局のところ金額の問題が一番大きくて、工業製品として大量生産された物の方が早く安く作ることが出来ることに尽きます。でも、長い目で見ると、材料を厳選し、人の手で作った物は永く、愛着をもって使えます。結果として安くなることもあるでしょうし、お金では買えない価値も生まれてくると思います。田舎暮らしの住まいは、そういう建具を使って家を造ってみても良いかもしれません。
それとお話をしていて、危惧するのは、世の中全体の流れがそうなっているのでしょうが、「弟子入りして修行をして職人になる」という就業スタイルが少なくなっていることです。これから10年20年先、古民家、古建具、古道具など、人の手によるものがいっそう希少になっていることでしょう。
それとお話をしていて、危惧するのは、世の中全体の流れがそうなっているのでしょうが、「弟子入りして修行をして職人になる」という就業スタイルが少なくなっていることです。これから10年20年先、古民家、古建具、古道具など、人の手によるものがいっそう希少になっていることでしょう。
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